鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.05.25  集まり散じて

 で、終わりました、学会。第104回大会を終えて、いや、勇気が出ました。まだまだこれからがんばります。科研費、教育史学会、どんどんやりましょう。昨日は研究室に泊まりましたので、更新できませんでした。二十年代の総合主義教育の資料を見ながら、昨日の出来事を回想していました。野地先生からは、資料を読み込む時には、控えていくことの大切さを教わりました。活字になっているものがあっても、現場への影響が少ないこともあります。文献の上でのことと、実際の違いと、それを見極めなければなりません。
 小森陽一先生と田近先生との話、懇親会の後の話は聞いていておもしろかったですね。ああいう楽しみはいくつあっても、いいものです。小森陽一さんとはいずれ話をしたいと思います。山元隆春先生とも話ができました。うれしい限りです。難波博孝先生、山元隆春先生、松崎正治先生、いずれいろいろとお話をうかがいたいと思います。小森先生の「右と左の真ん中にあるのは何か」という質問、なかなかおもしろいですね。答え方はいくらでもあるけど、その思想的な内容を決めていくのはどのような根本的な考えがあるからかという分析です。

  研究室の椅子で寝てましたので、腰が痛くて、荷物運びの手伝いをまかせてしまいました。今日は何ヶ月ぶりか、日付がかわる前に寝ます。いや、久しぶりです。一日ぐらいゆっくりしたら、また忙しいモードになります。どんどんやりますよ。これからも。やっぱり学会はいいですね。毎月何かの学会に参加しようと思います。

 さて、ドラマ「アンティーク」明日は借りる予定です。原作の「西洋骨董洋菓子店」がよいとのこと。それはそれでいずれ読んでみようかと。二次元を見ていないから、三次元は三次元で楽しめるのですね。「風と共に去りぬ」も映画が有名ですが、本を読んでから映画をみたら、その感激はないでしょうから。そうなると、私はドラマの「アンティーク」を楽しんでいることになって、原作の「西洋骨董洋菓子店」を楽しむことではないのでしょうね。NHKのドラマ「武蔵」は、吉川英治の「武蔵」とは違うのですから、ドラマを楽しむのであって、吉川英治を楽しむのではないのでしょうね。だから私は原作の「西洋骨董洋菓子店」を批判する力はないと。軽々しく論じてはいけないのですね。

 「ぴあ」の臨時増刊を買いました。通巻1000号記念です。1972年からの音楽や映画、演劇の歴史が出ています。文化の資料としての存在がここにありますね。いや、こういう本は大切です。貴重な資料ですから。

 先ほど、MLに流したお礼のメールを転載します。 学会にご参加の皆様へ心から御礼申し上げます。無事ご帰宅のことと思います。
 学会が始まって、準備段階とは違った感覚がありました。今まで学会に参加したときは、いろいろな研究に接し、多く先生から示唆をいただいて、その興奮状態のまま帰ったのですが、今回はそうではなかったのです。要旨集の重さからは研究活動の重さを感じて、発表資料を整理してめくると、その一つ一つの深さを感じました。ここに至までの皆様の研究活動が学会を支えているのと実感できました。準備段階では粗相のないようにという意識ばかり働きましたが、いざ始まると今までは得なかった勇気と元気をいただきました。それは「全国から多くの研究が母校に集まっている」そういう感激からです。多くの研究が学会を支え、そして自分の学んだ大学で学会が開催できる喜びでした。全国から集まって下さるのですから、それはありがたいことです。早稲田で学会を開いても良いと理事会、総会で承認を得てから一年、私学で初めての開催ということに至り、ようやく早稲田も認められてきたという意識もあります。機会を与えた下さったことに感謝いたします。
 昨日はその興奮もあり、準備の残りもあり、また睡眠時間の確保(先週の睡眠時間が10時間でした、笑)からも、浜本研究室に泊まりました。夜更けに昭和22年ごろの総合主義教育の資料を読みながら漱石ゆかりの酒屋から購った麦酒で、初日を迎えた祝杯をあげました。この2003年5月25日は早稲田の地に学んで21年(まだ学生ですが)、この早稲田での生活の思い出に残る記念日となりました。
 全てが終わって、すでに日常に帰っています。土曜日欠勤した授業の振り替えの準備、明日の不燃物のゴミ出しの用意など(笑)。次回の沖縄大会で皆様に会えることを楽しみにして、今後はよりよい研究をし、発表していくことで、御礼したいと思います。
 では沖縄でお会いしましょう。


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