鴛鴦呼蝉庵日乗
2005.04.18  気付かない個性

 土曜日にテレビで「花とアリス」があって、久しぶりに見ました。岩井俊二の脚本もさながら、音楽もよくて、不思議に見入ってしまいます。カメラ担当の方の遺作となったのは残念で、確かハッセルをカメラの前に取り付けて、ハッセルの発色を出したとか。なかなかの発想です。
  映像美は市川監督のように、全体的に設計されていて、どのシーンも美しさがあふれていました。最後では、主役はアリスの方かとも思いましたが、しっかり花の方なのでしょう。鈴木杏は映画よりも舞台の方がいいですね。

 この映画を見た後、ふと、ウエストンの「シェル」を思い出しました。「ペッパー」でなく、「シェル」の方です。あれは誰でも簡単にできるように見えますが、実はそうではなく、あれを再現するのはかなり至難の業です。ライティングも絶妙で、切断面も、背景も実は計算尽くされているのです。それに気がつくのは、あれと同じ設定をしようと思って実験すると、その通りにできないことからもわかります。同じシェルがないからではなくて、同じように設定しても、どこか微妙に違うのです。それに気付くには時間がかかりましたが、一時はイルフォでいけばいいかと思いました。でもだめでした。階調は個性でもあります。

[今日の記録]
睡眠時間:4:30就寝、7:10起床、2:40時間。
天候:晴れ。最高気温17度。湿度56%。
花粉症:ほとんどなし。不思議なくらいです。外出時もまったく影響なし。

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