鴛鴦呼蝉庵日乗
2005.10.24  思考の範囲と視点の位置

  思考すること、その範囲はどこまでか、そして視点はどこにあって、何を見ているのか、評論を論ずるときは、特にこのことが必要ですし、思考するときは、位置を確かめることで、深まることもあります。
  たとえば、化粧品。これに関わるものとしてどの範囲にするかです。
  まずは、モノ、化粧品そのもの。色、形、材質、形状。パッケージも含みます。
  次に作り手。作り手の意識、作り手が想定する販売の相手。
  そして使い手。年齢、性別、用途。地域も含みます。リピートや感想なども。
  最後が文化。化粧する風土、風習。
  図1のようですが、実際にはいろいろと関連していると思います。

化粧品図
図1 化粧品について調査する場合の範囲例。これ以外にも多数あり。

  で、これらには時間と場所という条件があります。上記のがある平面に描かれると、それららは重層的になるのです。上の要素で、古代でなく、今であること。それは、今年なのか去年なのかで異なってきます。場所もそうです。日本でも東京か、大阪か、青森か、沖縄か。風土によって異なりがあります。この時間と場所は論ずる人にも当てはまります。論ずる人が、どこにいて、いつ、どのようなことを語るか。それによって異なります。書き手や話し手の時間と場所、そしてその文章や言葉を受け取る側が立っている時間と場所によって受け取り方が異なるのです。それですから、文章や言葉から、理解し、そして自分はどう思うかを整理して、自分の立つ位置を確認することが大切です。この過程によって得られる力を「リテラシー」と定義できると思います。

化粧品時間図
図2 化粧品について上から未来、現在、過去という層になっている。これは、地域の層にもなる。それゆえ、マトリックスとなり、それが立体となる。

  評論を読んで感じるうさんくささとは、筆者と自分が立っている時間と場所が違うという条件の差にも原因があります。その上で、内容の問題に関わるわけです。内容とは多くが上記の範囲のことです。
  どこに立って、何を論ずるか。それは、視点の違いですが、視点が違う要素を確認することから評論の読みが始まります。

 いずれ詳しくまとめたいと思います。

[今日の記録]
睡眠時間:4:000就寝、7:00起床、3:00時間。
最高気温:22度

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