NEWS 00009 2001.02.18
[特集] 高機能と単純機能
(以下は、「郵便振替払込書に記入」V2.3のヘルプに掲載した、「作者から」の文章です。)
公開してから、思いの外利用者が多く、特に視覚障害をお持ちの方から、印刷ができたとの報告をいただき、私が想定した使用よりも、もっと便利なソフトになっていることに気づかされました。
インターネットが普及すると、クレジットカードでの支払いになり、郵便振替で送金することも減るかもしれません。しかし、銀行口座の送金は今でも高額で、違う銀行で支払うと500円近くかかります。その点、郵便振替では少額の送金では今のところ70円で済みます。この便利な送金手段はたとえば、駅に無人の送金機を導入するなど、もっと普及させるべきではないかと思います。コンピニにあるともっと便利かもしれません。
さて、ジャストシステムの「一太郎」にポスター印刷機能が追加されました。拙作の「用紙いっぱいに印刷」の機能と同じです。今後は、大手ソフトが小さなソフトの機能を入れるようになるでしょう。
たとえば、マイクロソフトのExcel Access などにも郵便振替払込書に印刷できるようになるかもしれません。
ただ、そのような市販アプリケーションがあっても、やはり単一な作業で済むソフトも必要です。高機能よりも、単純な一つの機能の方が使いやすいことがあります。その意味では、このソフトも私が考えている「隙間ソフト」の一つとして認定されてもよいかもしれません。ただ、それはどうでもよいことなのです。ソフトの開発は、ソフトの開発そのものに目的があるのではなく、日常生活をいかに便利にするか、そのための手段です。インターネットもそうです。日常生活を便利にするための手段なのに、インターネットをすることを目的とすることになりやすいものです。最近、メールが来ないと嘆いている友人がいました。メールソフト、あるいはインターネットメールという機構にすっかり、酔ってしまい、本来の生活を見失っているかもしれません。自分のという尊厳は、自分の意識によって支えられるものです。そのためには、コンピュータに使われるのではなく、コンピュータを使うという意識を持ち続けることが必要です。
ご利用ありがとうございます。
2001年2月10日 黒川 孝広
「気になる表現」として本を扱っていましたが、この項は今後、独立して、「本」のサイトに移すことにしました。しかし、ホームページの更新や、通常の仕事や、趣味などで、時間がとれないのが現状です。表現したいことはたくさんあるのですが、ホームページにするのには時間がかかります。ホームページに時間をかけることは表現の一部なのですが、しかし、ホームページを作成することは、その表現の途中段階なのです。つまり、方法であって、内容ではないことに問題かもしれません。携帯電話を使うひとの多くが、関係性を保持するために、使うものであり、緊急の連絡でないことが多いとのことです。それでは、携帯電話を使うのでなく、使われてしまうことになります。
その意味でも、情報に使われてしまわないように、適度にホームページを公開しようと思います。あまり、インターネットでホームページばかりみていても、それは狭い世界での出来事です。外の空気に触れながら、梅の開花を観たりして、自分の世界を構築することが先でしょう。
少しずつ、ゆっくり更新しようと思います。
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