鴛鴦呼蝉庵日乗

2007.01.29  過分なる紹介文

 ベクターの「新着ソフトレビュー」に拙作「テキスト削り2」が紹介されました。たいしたソフトではないのに、過分なる紹介文を書いていただき恐縮至極です。他の方のソフトの方がはるかに優秀なのに、こんな「隙間ソフト」でいいのかと思いつつ、申し訳ない気持ちです。いろいろと不具合もあるでしょうから、少しずつ直したいのですが、なかなか時間がありませんので、不義理をしてしまいます。

 ベクターの濱中様にはご連絡したのですが、ベクターのサイトに、書籍版の「PACK2000」などの詳細な記述がないので、ぜひ掲載して欲しいと思いました。書籍版の「PACK」と共にパソコンに親しんできた世代としては、あの一連の書籍は貴重な情報源でした。今でも、あの頃のソフトがWindowsソフトに影響されているを見ることがあります。書籍版の一覧はベクターデザインの貴重な財産ですし、それはソフトを使ってきたユーザーの財産でもあると思います。webのPickupも書籍版にあったものですし、MySoftの延長もソフト作者からのひとことにつながっていると思います。過去の情報ではありますが、パソコンソフトの歴史はそろそろ語り初めていいのではないかと思います。パソコンソフトの第一世代の人達が語り始めないと、昔のパソコン通信が終焉を迎えた現在、語り継ぐ人もいなくなるのではと思います。
  書籍版の編集後記は絶品でした。梶並さんの記事から編集の大変さをうかがい知りましたし、バイトの方のご苦労も生々しく、しかし、ソフトに対しての情熱が感じられました。パソコンの歴史として、フリーソフトの歴史は必要だと思います。LHAは知っていても、LHarcは知らないという人もいるでしょうから。その他の多くのソフトによって支えられました。FDやMielなど。特にMielがなかったら、仕事にならなかったと思います。

「新着ソフトレビュー」の「テキスト削り2」は以下に。
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/070130/n0701301.html

 教育再生会議ですが、「再生」ということは、一度成功したので、その時点に戻すということなのでしょうか。戻すのではなくて、新しい展開に向けて考えるというのが、いいのでは。「教育熟考会議」とか。PISAにあやかるのであれば。もっとも、「政治再生会議」とか「政治家倫理再生会議」とかもあってしかるべきかもしれませんね。「企業倫理再生会議」とか。そうしたら、「トキ再生会議」など出来たら、それは税金の無駄遣いというものです。「古紙再生会議」はいいですけど。いや、「教科書再生会議」で再利用方法をさぐるのはどうでしょう。センター試験のリスニングの器械は受験生が持ち帰ります。その代金がセンターの受験料に上乗せされました。学校などで回収を呼びかけていますが、このご時世になんということかとも思います。「再生」というタイトルがだめになって、「愚か者たち」という名前になった例もありましたから。

 「郵便振替払出書に記入」の画面表示の文字部分がずれる減少について、コードを点検してもわからず。で、ようやくわかったのが、プリンターの解像度を低くしたら治りました。GetDeviceCapsの扱いの間違いかもしれません。いずれ修正します。

 IKURSシステムがUNIXだったとは知りませんでした。Lightにしても高額なので、これを使うことはあきらめますが、魅力的です。将来、そのうちですが、きれいな楷書体を作る予定です。もちろん、予定ですので、実行は不明です。

 マイクロソフト「Windows Vista」と「2007 Office system」が発売。カウントダウンイベントもあるそうですが。昨日、検討した結果、今必要な機能がないので、当分見送りです。特に、Officeの場合は、Excelの機能に期待しつつも、ほとんどが画面かカラープリンタがないと意味がないように思います。で、見送り。レイアウトについては、日本にもすぐれたデザイナーがいるので、そういう人達の意見をもっと聞いたら、しゃれたものができるのではないかと思います。今のOfficeが悪いというのではなくて、幅広い意見を入れることも可能だということにおいて。

 「暮らしの手帖」のフォントが元に戻っていたのですが、游明朝の方が読みやすかったと思いました。縦書き文書では、游明朝体とこぶりなゴシックなどが読みやすいと思います。縦書きで、游明朝Mの12ポイントにすると、かなり際立ちます。ヒラギノ明朝は横書きに適していますが、本文用としては、游明朝の方が読みやすいと思いました。本明朝の新小がなも捨てがたいですが。

 花粉症、あいかわらず、ピークです。来週ぐらいには落ち着くと思いますが。

 フォントと言えば、Windows Vistaは JIS X 0213:2004 (JIS2004) ですが、それまでのMSゴシックやMS明朝と字形が異なります。このあたり、今までの文書を使っているのに、文字が変わってしまうのは問題です。Windows XP 向けのMSゴシック・MS明朝のJIS X 0213:2004対応フォントは、2月中旬に公開だということなので、その時には更新する予定です。やはり、これからの文字の統一基準に合わせていく必要がありますから。ただ、JISと言うことと、学問的なコードは別に必要だというのが、岩淵匡先生の意見でした。けだし、同感です。JISはそのまま使うとして、それを10進に直すのがいいのですが、しかし、字形が異なるというのはどうかと。ただ、すでに動き出しているのですから、それへの対応は必要です。

 大澤真幸氏の『電子メディア論』の一部に「俗語」があって、それは単語としてのスラングではなくて、「雅語」に対する「俗語」であると、ふと思い出して、それで「声」との関係が明らかに。「俗語」とは「俚言」に近く、「俗語」であること、「語り」かもしれません。「雅語」の対比としての「俗語」ならば、「古典ラテン語」と「俗ラテン語」との関係に近いのではないかと。ならば、「俗語」ということにしないで、口語、民衆語、話し言葉という言い回しでよかったのではないかと思います。もし、そうならば、その文章を設問にした大学入試がいくつか見られますが、その真意が伝わっているのか、もう少し検証が必要ですし、その関係を理解できるのか、果たして受験生にということが問題になるのではないでしょうか。古典ラテン語や俗ラテン語の関係が分かる人も多くはないのに、それを入試に扱うことは、話の構造を読み取るということにしても、意味無くして構造を読み取ることになってしまうのではないかと思います。
  と言っても、すでに入試は終わっているので、どうのこうのではないのですが。ただ、次の世代にはこういうことを無くして欲しいという気持ちもあるのです。

[今日の記録]
睡眠時間:5:00就寝、6:50起床、1:50時間。
天気:晴
最高気温:10度

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