鴛鴦呼蝉庵日乗
  2002.01.01 新年という流れ
 昨年の12月25日にTBSテレビの「クリスマスの約束」という番組を見ました。小田和正がいろいろなミュージシャンに手紙を出して当日、一緒に歌うという番組だったのですが、結局はだれも来ませんでした。それでも、小田はその手紙を出して、あるいは出さないミュージシャンの歌を歌うことになったのです。その番組の最後で多くのミュージシャンがコーラスのみで歌う曲がありました。その中にスターダストレビュー(スタレビ)がいました。スタレビはデビューして20年、私が聞き始めたのはデビューした翌年ですから、かれこれ19年も聴いています。小田の歌を聴き始めたのもoverの翌年でしたから、かれこれ20年近くたっています。この二つのバンドはつながりがありませんでした。しかし、小田の交通事故の前の年、イベントで一緒になったのです。そして、交通事故の後、体がまだ不自由な時に小田とスタレビのジョイントがありました。小田は約束だからということで、キャンセルせずに歌いました。それが、退院後の最初の歌だったのです。それから、小田の歌のコーラスにスタレビが参加し、今回の参加となったのです。小田のファンクラブの会報でも、スタレビのことが書かれていました。スタレビはコーラスを大切にするバンドです。最近は根本要の声が少々弱くなっていますが、それでもうまいバンドの一つだと思います。ただ、大きなヒットはない。それゆえ、世間ではあまり知られていません。一方、小田は「LookingBack」がヒットし、今でもトップライナーとして活躍しています。
 この二つのミュージシャンを私は聴いてきました。それぞれ別々に。ところがこの二つのバンドにつながりが出たとき、私の中の音楽に対する何かか、変わりつつあったのです。もともと音楽は好きでした。FMで流れる曲を聴いていました。今でも、よく聴きます。カウントダウン番組はよく聴いていました。そんな私の音楽の感じが、この二つのミュージシャンの出会いというもので、一つの区切りを持ったのです。それは世界観でした。世界観というのは、それぞれのミュージシャンが持つものです。いろいろなバンドがそれぞれの世界観を持っています。その世界観。それを理解できるか、あるいは、その世界観をミュージシャンが展開できるか、これが音楽なのです。その解釈の過程、音楽とは自己の解釈に過ぎません。解釈することで、自己を見つめることができます。
 新年というのは流れです。でも、新年を感じるのは解釈です。その解釈、毎年来る新年という流れの時に、自分の解釈がどのように変わってきているかを確かめる旅なのかもしれません。
 今年も、いろいろ表現していきます。学生時代からはじめた「かくかい」という有志会をこのような表現媒体に変えてきました。その成果はまだ表れませんが、しかし、表現し続けることに意味があると思っています。

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