鴛鴦呼蝉庵日乗
  2001.12.31 市毛勝雄先生
 12月8日に市毛勝雄先生の講演会がありました。それまでの文学教育の歴史から、論理的な思考の教育が必要であることを説いたものです。
私は、市毛先生は技術教育に偏りがあることは認めていますが、それは教育の現場の悩みから考えたものであり、その必要性は確かにあるのです。しかし、市毛先生は思考力を高めるために論理的な表現をすることで学ばせようとしたのです。それは、文章というものの構成を理解させようとしたのであり、いわば、文章論を展開したと私は思っています。それは、市毛先生は日頃より時枝誠記と波多野完治の論を説明していたからです。それゆえ、時枝の文章論を市毛流に展開したものです。市毛先生を言語技術の先駆者として捉えるよりも、文章論者として捉えたいと思っています。
当日は風邪気味の市毛先生でした。

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