鴛鴦呼蝉庵日乗
  2002.01.21 教育学の特殊性
 学問とは実社会に反映されるべきもので、それがあるから、学として存在するのかも知れません。工学や理学など、実社会に直接ではないが、社会に還元できるものもあれば、芸術学のように、どの人にも還元できるものもあります。その中で、教育というのは特殊です。一般の人ではなく、子どもを相手にしていること、あるいはその子どもを相手にする教師を支援するための方法論や環境などを研究します。教育というのは、だれもが通り過ぎたものですので、だれもが批判者となりうるものです。それゆえ、一般からは批判を受けますが、実際の学問は学校や教員のためになっている部分があり、それゆえ、特殊な一部の人のための学問と言えます。それが、子どもたちに還元できることはできるのですが、実査には教師に還元しているわけですから、直接子どもに還元しているいうものではありません。ここに、教育という学問の特殊性があります。
 学問の特殊性は、学問の普及、あるいは一版的な認知に影響します。その影響があるから、結局は、行政によって縮小してしまうことになります。各大学では教育学の縮小がなされていきていて、別の意味での、社会教育のような一般に還元できるようなもの、あるいはカウンセリングのように一般に向けての学問へと変化しつつあります。教育学の重要性は、もっと社会に結びつく、学校でない場所でも使えるような方向が求められているかもしれません。

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