2002.12.01 十二月
 電車の痴漢が多くて、被害者の精神的苦痛を取り除く方法もないとはよく耳にすることです。痴漢の冤罪もひどく、懲役3年という例もあります。それなら、多少の罰金を払っても認めるというのが一番いいといわれています。しかし、そこまで行くことは少なく、実際は痴漢を受けても、注意だけ、あるいは注意もしないで終わります。それは、注意したり警察に突き出したりしたことで、復讐される恐怖があるからです。それゆえ、痴漢は安心して痴漢行為をしてしまう。ここに問題があります。痴漢被害が多いのにもかかわらず、痴漢に対する防止策が少ないことです。痴漢行為に対する罰則を重くする、そして痴漢を防ぐためにも、一部の電車でしているように女子専用を作る。女子の中高生の痴漢被害はひどいもので、重犯罪のものもあります。それを防ぐことが何よりも社会安定に必要でしょう。社会に対する、政治に対する不信として痴漢を防げない政治があります。
 痴漢の犯人からの復讐をおそれるあまり、痴漢を突き出せない。そういう文化にいることは、痴漢を許してしまうことになります。ここが一番危ないことです。何もしないことが是認となってしまっている点です。まわりも含めて痴漢ついては毅然とした態度で逮捕するようにしなければなりませんし、女子専用車両など保護することは、犯罪防止にもなります。被害者が勇気を出して声を上げ、政治を動かないと被害は増えてしまいます。日本の道徳力が問われるのは、道路のゴミ捨てもありますが、こういう倫理的な問題も含まれています。もちろんそれは理想です。現実はなかなかそうは行きません。電車の中で痴漢ですと摘発するのは勇気のいることです。むしろ周りから白い目で見られるかもしれないとの恐怖があります。犯人からの復讐で、刺されたらおしまいです。そういう恐怖が取り巻きます。現実的に家庭では犯人を突き出さないようにと言っている例も聞きます。

 現実と理想とが乖離し、その理想へ道が遠い例として痴漢の問題があります。極めて難しい問題です。だれもが痴漢は犯罪として防止し、検挙すべきとはわかっていますが、そのようにできない心の問題があります。

 過去を断切ってこれから、今から、生きて行くには難しいものがあります。今の自分をより肯定的に考えなければなりません。ここが難しい。しかし、寝てしまえば起きてしまう。そのくり返しです。

 まだまだ仕事が終わりません。焦ってもしかたないのですが、時間を有効に使いたいのですが、そうもできないのは能力低下か、年齢のせいか。ま、考える暇があったら仕事した方がいいでしょう。

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