鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.03.22 鶯

 鶯の初鳴きを聞きました。毎年もう少し遅くだった気がします。今朝ははっきりと聞こえました。いい声です。毎年夏前まで聞こえていましたから、これから懐かしいような毎日の風景が始まります。鶯の声を聞くのは、どこがいいか。いや、どこがいいかよりも、どこで聞いているかですね。私の場合は、仕事場では聞くことがないので、家で聞くことになります。その家でもゆっくり聞くことができるのは、寝室でもなく、仕事場(寝室も仕事場も同じですが)でなくて、トイレです。トイレの窓は閉めたことはあまりないので、トイレの窓から鶯の声が聞こえます。それもはっきりと。トイレにいる時間は静かにじっとしていることが多いから、鴬の声をしっかりきくことができます。意外と音楽にはいい環境です。
 鶯の声を聞くと春を感じます。鳥の鳴き声はリズムです。それは、オクタープやテンポでなくて、季節というリズムです。自然というリズムです。そのリズムは誰が教えてくれたのではなくて、この風土から体が学んだものです。それゆえ、かけがえのない、置き換えのできない、ごまかすことのできない、尊いものです。感性が大切な理由は、感性はその人の理論やごまかしのきかない、人格そのものだからです。

 自己成長の物語があるストーリーは感動します。人が人のままでなくて、人が成長していく過程。それも辛いことや楽しいことやがんばったことからいろいろな学び、そして成長する。それが物語のおもしろさです。岩井俊二の「Love Letter」が傑作と感じるのは、主人公の藤井樹が成長していく過程が描かれているからだと思います。「やんぱぱ」もそうですね。成長するから。だけど、自分の成長はなかなか感じられない。だから、辛いものです。

 明日は、浜本先生の研究室の引っ越しです。

 本日購入のCD
Machaut「Messe De Nostre Dame:Scholl(ct)ensemble Gilles Binchois」
Plastic Tree「Puppet Show」
Zi: Kill「Close Dance」
Malice Mizer「Voyage」
Malice Mizer「Merveilles」


前へ 目次 次へ
かくかい Copyright 黒川孝広 © 2003,Kurokawa Takahiro All rights reserved.