鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.06.27  雨と傘

  職場話です。数値処理を既存のシステムでするか、EXCELでするか検討中。どうするか迷ってましたが、今日、ふと既存のシステムを使えばよいと気が付きました。システムに名称などを登録すればよかっただけのことでした。それでも終了までに5時間かかりましたね。
 それで、一覧表に監督者を配当するのができず19時に。それ以上は残業できませんし、家には大きな机はありませんので、作業が滞ります。そこで浜本研究室へ。少し調べものをして、21時過ぎから監督者配当を開始。ちょうどその頃に助手の大野さんが来室。今さっき、岩淵先生のゼミが終わったとか。19時には終わると行っていたので顔を出さなかったのですが、まだやっていたのなら、参加すればよかったなと思いました。
 監督者の配当は建物の位置や階段など動線をいろいろ考慮して作成。結局素案が出来たのが23:57。急いで研究室を後にしたら、小雨が。本を持っていましたから、紙袋に手ぬぐいを掛けて、足早に駅まで。途中、大隈講堂の前は雨のためか、人影はまばらでした。いつものなら、かなりの数なのですが。で、なぜか今日に限って0:07の電車は満員。乗り継いだら、その電車もかなり混んでました。駅に着いて、下りたら、雨は強くなってました。それでも歩けないわけではないので、そして荷物を両手に持っていましたから、傘を買っても無駄なので、濡れることに。できるだけ、影になるところを歩いていたら、OLらしき人が颯爽とまっすぐに歩いていました。雨に濡れるのもかまわずに。
 少し濡れる程度なら足場やに動くのですが、濡れてしまう程度ならかえってあきらめがつきますね。あとで風呂に入ればいいのだから。それに走れば汗もかきますから、結局同じことなのです。そう思うと雨をよけようとする私の浅はかさがなんとも恥ずかしく、それでまっすぐ歩くことにしました。雨もまた一興などという台詞をはくほど立派ではありませんが、でも、雨の中、まっすぐ歩くなんて久しぶりでした。
 ふと、電灯に雨が白く線を描いていたのを見て、昨日みたアニメの「ヒカルの碁」を思い出しました。藤原佐為が呟くのです。「いにしえの頃より碁盤も碁石も変わりませんが、ヒカル、この傘も千年前と変わりませんね。」「月に行けるのになんで傘はいまだに傘なんでしょう。」 千年前と変わらず、雨に打たれる、そうそれは文明がどうなってもそれほど代わりのないことでした。そんなこと、昨日見たがゆえに鮮明に思い出されました。たしかそのシーンも梅雨時の雨でしたから。雨の中、濡れることもそのままに、しかし、多くの人がなぜか歩いている姿を見て、これもまた一日の一時なんだと思った次第です。
 それにしてもアニメをみて、翌日に雨に濡れるなんて、おもしろいですね。こういう偶然はとても気に入っています。縁語というか、何か関わりがあるようで、そういう言葉の関わりを大切にしたいと思っています。「ヒカルの碁」はギャグもありながら、さりげなくいい台詞が入っていて、そして絵もきれいですから、いいですね。昨日見たのは、DVD3巻目で、その中の「第八局 雨の中の策略」でした。「第七局」の平安の図もきれいでしたね。

 帰りにレンタルビデオや滑り込み。閉店間際で、「ガンダムSEED」のDVDを借りました。店を出たのが1:10。そして1:30帰宅。パンとカスピ海ヨーグルト、牛乳で夕食。新聞や買ってきた本の整理して、それで、2:10。メール返信をして出版社の目録に目を通して2:30。そして日乗を書いて、2:45。これから監督者の配当を続けますので、寝るのは朝ですね。

 一昨日の夜にANIMAXで見たアニメが、ロボット操作の学校のでした。大人数がいろいろと人間関係でもまれながら成長している様子を描いてものでした。おもしろそうで、番組名を調べたら、「ガンパレードマーチ」。毎週水曜と土曜に放映なので、来週の水曜は最初から見てみようと思います。

 少しCGについて調べようとサイトを調べていたら、検索ソフトの結果をたどっても閉鎖されたサイトが多いのに驚きました。特にアニメサイトは栄枯盛衰が激しいようですね。消えゆくサイトが多くあります。その理由は何かと思っていまして、そのままにしていました。ふと、思いついたことがあります。
 趣味のものを対象に、たとえばアニメのキャラや特定の映画、俳優、スポーツ選手などを相手にすることは、自分の感性による判断を根拠にサイト運営することになります。そしてそこを閲覧する人もまた同じ感性で趣味のものを見ていることになります。よって、両者が同時に同じ感性であることが条件ですね。あるいは、それを検索している人という条件になるでしょうか。
 しかし、趣味、特に好きなものが受け手の鑑賞であるとすると、それは変化することがあります。子どもの時に好きなものが好きでなくなること、俳優ならば不祥事とともに嫌いなることもあります。アニメだと次々と新しい作品が出ますから、古い作品となると、色あせたような気がすることもあります。人は生きていますし、成長していますから、感性も成長し、変化します。そうなると、今まで好きなものは好きのままの場合もありますし、好きでなくなる場合もあります。
 よりもっといいものが出てくるとサイト運営にも疑問が生じます。今していることではなくて、別のことに興味をもつからです。また、見に来る人も少なくなるでしょう。特にアニメだと番組が終わってしまえば、少なくなります。とても好きなファンでなければ忘れていきますから。そうなると、そのサイトは運営者の感性が一定の期間でないと閲覧できないことになります。また、見に来る人も固定化してしまい、閲覧者も必然的に少なくなります。そうなるとサイト運営をしている価値がなくなります。それは自分の存在価値ということを考えることになります。
 見に来る人を意識すると、閲覧数が少ないとサイトを断念することになります。そうなるとその人は他者に依存してしまい、他人に左右されることになります。そして人の感性や好みが変わりますから、その変わったままにサイトを変更し、そしてリンクや同盟なども変更することができれば、運営者の個性のままに運営できることになります。
 つまり自己の表現していくこと、そしてその表現は時とともに変化するので、サイトに掲載されるものは、変化あるいは進化していくようにすること、その柔軟な運営方針があってこそ、サイト運営は可能です。私のサイトが自分の価値観によって作られているのですが、その価値観が変化すれば増殖しますし、あるいは閉鎖します。いずれにあっても、見に来る人を意識しているのではなくて、むしろ、自分の表現としてサイト運営をしているのですから、閲覧数や自分の感性によってサイトを閉鎖することはありません。私が生きている限りサイト運営という自己表現意欲がある限り続けていくことができますから。閲覧数が減ったら、それは自分の価値がなくなったのではなくて、見る人の価値が変わったのと、見る人が固定化しているからでしょう。
 サイト運営の視点を何かのもののためにでなく、自分を表現する、その時その時に変わってしまったら内容を変えて自分を表現するようにしていくといいのではないか思います。資料的な価値があるのならよいものの、それでもそれは自分の表現です。自己を表現することを続けていくことで、自分の表現の可能性を見いだしていくことだと思います。その可能性は何かがわからないから、だから続けていく、継続ということがあるのでしょう。解決し得ないことはたくさんあります。サイト運営への自信、自分の存在価値。その苦しさの中から自分を見いだすために、自分に安心を与えるために、時として苦労しながら表現していくのです。
 生活の中でそれほど多くを占める存在でないサイト運営ですから、むしろ気楽にするのが一番ではないでしょうか。

 昨日、窓を開けたら蚊の群れが目の前に。急いでしめたのですが、3箇所さされました。蚊にさされやすい体質なので、そのあとも悪戦苦闘。蚊取り線香の液体のを付けましたが、それでもあちらこちらにふわふわと。2匹は退治したものの、1匹はだめでしたね。きっと、一晩明かしたのでしょう。

 冷房を抑えめにしたのですが、それでも職場の冷房は足下が冷えます。足が冷えると、いらいらしますね。それで煎茶を飲むと、利尿作用が働いて脱水症状のようになります。また、喉が渇きますね。ほうじ茶にしようかと思いますが、いただいた煎茶がまだ5袋あるので、どうしたらよいものか思案中。ただ、麦茶は買いましたが、かなりの量なので、袋に分けて使用するつもりです。
 足がいらいらすると、何もできませんね。集中力が欠けてしまう。いらいらの原因は足の冷え、つまり足首の毛細血管が冷えることで縮小し、血行障害を起こします。足の欠陥は脳までつながっていますから、頭の回転が鈍くなります。

 仕事が遅れたら、変更がいろいろ出てきました。寝かせるというのは、こういうことかもしれません。もっとも、出来ていてから寝かせるのであって、私のように遅い場合はよくないのです。

 先日注文した、『LATEX2εマクロ&クラス プログラミング実践解説』技術評論社 ISBN: 4774117587は6/13発売にもかかわらず、すでに品切れ。それほどに人気があったのか、原因は不明。再刷も不明。どうなっているのでしょうか。こういうことは通常ではあり得ない、つまりLATEX2εのマクロ関係の本がそんなに売れるはずがないのという考えがあるので、不思議に思うのです。つまり私の期待をはずしたのであるから、こそ違和感があるのですね。期待と違和感はこういうときに証明されます。

 本日購入の書籍。
ドラマを書くダイヤモンド社
○岡田恵和『ドラマを書く―すべてのドラマはシナリオから始まる… 』ダイヤモンド社
 なんで買ったかはおわかりですね。そう、「アンティーク」です。その脚本はこの人が書いたので、その人はどのような入門書を書くのか、それを知るために買いました。
○奈良裕明『1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編』雷鳥社
 メソッドはその人によってことなるので、定型として全員にあてはまるものはないというのが私の意見ですが、しかし、そうはいってもメソッドを無視するわけにはいきません。実際にメソッドで書けるようになった人もいるのですから。それは相対的な関係ですが、それを活かしていくことは必要です。その分析のために買いました。
○国文学7月臨時増刊『食の文化誌』学燈社
 これは面白いですね。特に、以前より高村光太郎のコカコーラについては気になっていましたから、そのことは少ししかふれていませんが、高村光太郎は欧州で飲んでいたに違いないというのが私の推測。
○大塚英志,ササキバラゴウ『教養としての"まんが・アニメ"』講談社現代新書
 郷愁的でありながら、その価値を探っている様子ですね。そんなに深く考察してるのではないですが、時代状況の把握としてはよいかもしれません。
○中条省平『読んでから死ね!現代必読マンガ101』文藝春秋
 これは期待したほどではなかったですね。分析が表層的というか、新しい視点がないというか、かなり読んではいると思うのですが、しかし、紹介にもなっていないので、もう少し深く入り込んだ考察や分析を入れるとよかったのではないかと思います。
○工藤順一『論理に強い子どもを育てる』講談社現代新書
○高橋哲哉『「心」と戦争』晶文社

 4:00就寝、7:00起床、3:00睡眠。かなり無理でした。職場の仕事がなかなか終わりません。この調子を一生を終えるのかもしれませんね。


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