鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.11.05  残り香 
 

  法務省のSさんと久しぶりの再会。国家試験の方が受験勉強よりもはるかに難しく、高校の時に、数学をしっかりやっておけばよかつたという話。しかし、高校の時はちゃんと毎日英語を勉強していたわけで、その毎日の辞書引きが勉強の週間になったとのことです。毎日の繰り返しが結果として、いい方向になった、自分のためになったということ。勉強だけでなくて、書くことや描くこと、見ること、読むこと、それらの言語活動そのものも、毎日の繰り返し、その繰り返しのようで見えて、実は、毎日少しずつ違い事をしているのですが、その違うことをしていくうちに成長しているのです。
 しかし、その成長は微々たるもので、例えば、高校1年の時に何を考えていたかなどは、大人になるとすっかり忘れてしまうものです。だれといつ何を話したかなどは。記憶に残らないことを常にしているのが人間であり、その繰り返しで、人生は過ぎていくのですが、その中でも、特に記憶に残ること、成人してからの記憶、あるいは友達と楽しかったことの記憶のみが残っているのです。
 その意味では、記憶に残らずに、その時その時のいろいろな人の人生選択に関わっているというのは、いい事ではないかと思いますね。あまり影響を与えず、しかし、その分岐点にはちょっとした道しるべになるというのは、残り香がなくて、いいと思います。

 0:00就寝、4:00起床、4:00睡眠。いつもと睡眠時間を変えてみようとしましたが、帰って眠くてだめでしたね。やっぱり夜更かしが一番似合うようです。


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