2004.07.31 映画『グループの指導』 | |||
昨日の早朝ですが、寝ようとしたら、映画をやっていて、ドキュメンタリーなので、つい観てしまいました。それから、一日、その映画のことを考えていました。 昨日、CS放送で記録映画、『グループの指導−話し合い劇を通して−』を見ました。TV初放送で、7月にも4回放送されましたから、ご覧になられた方もいらっしゃると思います。1956年に岩波映画で作成された文部省の推奨作品で、監督は羽仁進、30分のモノクロ作品です。内容は、東京にある青梅市立第六小学校でのグループ指導教育の実際で、状況と配役だけを決めて、子どもたちがそれぞれの役の立場から意見を言い合い、それぞれの状況の問題を、「話し合い劇」を通して解決していく、あるいは考える力をつけさせる過程を映像に収めたものです。 羽仁進監督といえば、1954年の『教室の子供たち−学習指導への道−』が各賞を受賞したので有名ですが、1956年の『絵を描く子どもたち−児童画を理解するために−』、1956年の『双生児学級−ある姉妹を中心に−』と合わせて教室もの3部作と言われています。現職の教員用の映画でありながら、『絵を描く子どもたち』は一般作品と同じように劇場公開されました。記録映画が劇場公開の価値ありと判断されたのだと思います。『教室の子供たち』の評判が高い原因には、授業中にもかかわらず、子供たちがカメラを意識しないで、自然に動いている点が上げられます。それほど、子供たちの中にとけ込んで撮影したのだと推察します。 この『教室の子供たち』よりも3年前の昭和26年に『グループの指導』作ったことは、あまり知られていないことだと思います。 それと、昭和26年段階で、このような授業記録があること、今まで知りませんでした。児童用の映画はいくつか知っていました。例えば、1924年にナカジマ活動写真から『教育お伽漫画』シリーズが作られ、その他の会社でも同じような児童用の映画があります。そして、1928年を境に、映画を授業で見て学習する記録が多数報告され、映画と教育についても多く刊行されています。国語教育での情報を扱う場合で、媒体について検討するならば、ラジオ放送、映画などを取り入れた学習方法史を調査する必要がありそうです。 その一方で、教員用の映画は、歴史上どれぐらいあったかわかりませんが、数は少ないと思います。この教員用の教育映画にはどのようなものがあったのか、教育観の違い、制作の目的など、戦後の教員養成の一つとして考える価値があると思います。私自身には、このような教員向け映画は研究の視野に入っていませんでしたが、国語教育史を研究する上では授業を撮影した記録映画という媒体も調査していく必要がありそうです。 昨日の夜から、首と背中に痛みが。湿布剤で抑えてますが、時たま痛みます。 多読について文章を書きましたが、まだまだ先行研究に入れるべきものが足りませんでした。浜本先生より、「庭野三省さんのがない」とのご指摘。それと、読み直してみて、発達段階での多読期についてふれなかったのが失敗。また、時枝の所、もう少し詳しく書かないと、わかりにくですね。言いたいことが。こうやって、成長していくのかもしれません。失敗ばかりですから、成長したくなるのでしょうね。野地先生の文章に至極共感。やはり先達はあらまほしです。 7月も終わり。時間はあまりにも早く過ぎます。 今日は、お弁当に野菜いためを作りました。キャベツ、二ジン、ハム、玉子のシンプルな素材。なかなか美味。 6:30就寝、7:00起床、0:30睡眠。 |
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