鴛鴦呼蝉庵日乗
2005.05.18  伝統

 ギリシアの古楽器が復元されたということで、箜篌の写真がありました。やはり、木戸敏郎さんが復元したものです。以前、箜篌の復元には、篠原史子さんのハープ演奏、箜篌演奏があって、一柳慧「時の佇まい」が上演されました。この曲はとてもいい曲です。
  で、箜篌の復元については、くさびが鍵だったそうです。折れやすい、弱い楽器なので、くさびで強度を増していたのですが、それは消耗品なので、見あたらなかったと言うことです。箜篌の収蔵庫に所在不明の部品があり、それが箜篌のある部分にうまくあてはまったいうことから、くさびでの強度を増すことが判明したとのこと。
  「時の佇まい」については、初演ではないのですが、再演だったか、草月ホールでの演奏を聴きに行きました。見事な曲で、休憩時間には箜篌を触らせていただき、音色を確かめました。

 夜になると風邪がひどくなります。めまいというか、目の乾きも、花粉症かなとも思いますが。この春の花粉症は、4月になってからめっきりなかったので、今頃出たかと思いました。

 「游築初号かな」の見本帳が届きました。この元の字はさすが力のある書体でした。それをデジタル化にアレンジしたのがこの書体。元の字を見てわかったのは、毛筆の筆致をあえて残した書体でした。それゆえ、連綿のようになっているところの後は、毛筆の入り方をしていたのです。大日本スクリーンのフォントですと、この毛筆の筆致を抑え気味にしています。字游工房のフォントはなるべく再現しつつ、ただ細めにしています。「を」の右、「む」の点、「江」のつくりの始筆など、筆を建てているですが、どちらのフォントも寝かせた解釈をしたか、それはわかりませんが、少し寝かし気味にデザインしてあります。多少修正はあっても、実にいい書体で、デジタルフォントもいいものです。

 この「游築見出し明朝」もなかなか良い書体です。「月」の終筆のハネなど、ミギヘのハネは、楕円のカーブになっているフォントが多い中、先は細くそして丸く、単に楕円の切片ではなく、内側にも円があり、外側にも円があるというような様子がなんともきれいなのです。「光明」も築地かなを使いつつ、この処理をしてあるから安心できます。最近のフォントではこういう処置をしているのが少ないので、安心できるフォントです。
 下記では、游明朝の長さを少し短めにしたのが理想。

 

[今日の記録]
睡眠時間:5:00就寝、7:00起床、2:00時間。
最高気温:21度

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