鴛鴦呼蝉庵日乗
2005.08.17  比較する側

 宿について、最近はサービスも料理似てきました。使う側は以前との比較をしますから、料理や湯や調度品、人当たりでサービスの差を確認します。個性的な宿の場合は、比較する尺度が変わりますから、以前と比較するのが難しくなります。それゆえ、布団の堅さとか座布団の風合いや、お茶の味など、細かな点で比較しようとします。しかし、主義主張のはっきりした、そして独自の宿は、比較しにくく、評価も出しにくくなります。それゆえ劣悪ということは言えなくなります。
  使う側は同じ調度品、料理、湯、サービスなどで、比較基準を設けますから、宿が全国的に画一化することは、宿の比較をしやすくしていることになります。タオルや歯ブラシ、布団、床の間、テレビ、お茶、いろいろと全国的に画一化してきたような気がします。ある意味では、この画一化は使う側を堕落させているのかもしれません。比較する尺度が画一的に、使用する側の行動も画一的に成りやすいからです。
  私はこの現象をコンビニ現象と考えています。いいかどうかは、これからの判断です。

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