鴛鴦呼蝉庵日乗

2007.01.07  若手育成と思い込み

 以前に書いたことの重複です。最近のドラマでは、役者ではない歌手やお笑いなどのタレントが多く出演しています。それはそれで視聴率も上がりますし、見ている方も楽しいのですが、それでいいのかということです。演劇には演劇に励む人達がいます。ドラマだとしてもそうでしょう。テレビに出て人にアピールするという気持ちもありますが、演じたいという人達もいます。そういう人達に演ずるチャンスをうばうことにもなります。もちろん、歌手やお笑いの人達も演じたいから出るのでしょう。しかし、歌手やお笑いの人達はその専門の職種があります。それゆえ、若い役者を育てるには、ドラマに出演するなどの機会を増やすことです。専門技能の人はその人の努力でまかなえると思ったら間違いで、育てるのです。今まででもそうでした。育てて行くことで、幅が広がるのです。スポーツ選手はもちろん、役者もいろいろな人もそれぞれのチャンスがあります。決して、それは歌手の役者への道を閉ざすのではありません。それは幅広い芸を磨くことになりますし、見ている人にもいいことになります。歌手の人でも役者として十分な技量を持つ人もいます。それはそれでいいことなのです。ただ、見ていてもその歌手や芸人やタレントが十分な技量を持っていないのに配役されていることなどを見ると、それよりも多少技量は劣っても若い人にチャンスを与えた方が、将来の役者や演劇の世界を広げることになります。

 MicrosoftのWindows Vistに搭載されるフォントは、メイリオですが読みやすさからディスプレイ用に作られたものであって、印刷用とは言えないと思います。それを画面に出すということは、それを見た人はその画面の文字を信じていきます。あるいは慣れていきます。それが当然になってしまいます。もちろんそれが悪影響ではありませんが、悪影響を及ぼすこともあります。それが当然のようにあたりまえに思ってしまうことです。それだからこそ、読みやすさから文字を変えるのは、その場合が特定である場合であって、普段目にするものが当然のように一般化いくことは疑問です。可読性がいいのかということも検討する必要があるでしょう。
  その方向で特定の場所に使う場合は、ユニバーサルデザインが必要です。イワタが作成したユニバーサルデザインのフォントはとても有効なのです。それはそれぞれの機器であり、印刷媒体ではないからです。パソコンの場合は、特に文字情報がwebで一般的ですから、文字やフォントには慎重に検討する必要があります。日本語フォントならヒラギノかAXIS、欧文ならはHelveticaやUniverse、caslon、garamond、Times tenを基本として展開していくのがいいと思います。もちろん電子化された文字は線の表現に限界がありますから、適切な表現ができないこともあります。デザインのみらなず、文化としてのフォントがあると思います。いつの間にかそれが当たり前に思わせてしまうことのないように、文化は展開できるように土台を作ることが必要かと思います。

 フォントがらみでもう一つ。「こぶりな」を見ていて思ったのが、「安」という字の「女」の第2画のところです。そこにこぶのように筆溜まりの有無。「道」という字の作りの下の部分の突出。「子」の第2画の直線と曲線の違い。そして「読」の言偏の下の「口」の下に出ているところ。それも両方なのか、一つなのか、二つなのかとう違いです。以下は所有フォントについてですが、メイリオについては保持していませんので、すでにパブリックプレビューをした方から、画像作成してそれを組み込みました。それゆえ少し大きさは異なっています。

fontlist

 楷書で考えれば、どの形がいいのかわかるかと思います。朝日新聞の記事では、ラジオの投書で手書きが増えているとかです。ドラマの台本も手書きに直す役者がいるということも聞きました。たぶん可読性とは、その文字の形の簡素さではなくて、伝統なのではないかと思います。漢字や仮名が線画から発して、毛筆として生活に根付いて、それが活字に集約されてきた現在、その文化を継承するためには、デジタルに線画したものではなくて、どこか文化が残っている形にするのがいいと思います。その上で、デジタルとして可読性に富んだものにするのがいいのでしょう。決して伝統のまま固執するのではなくて、伝統を生かしつつ、その精神を忘れずに新しくしていくことだと思います。
 多くのテレビゲームが将棋と碁の延長、そしてRPGも推理小説や小説の延長だと考えれば、基本的な精神に大きな差はないのです。そこに新しさを加えていくことなのです。間違えてはいけないのは、古いからいいということでなくて、新しいからいいということでなくて、大切な精神はそのままでしかしスタイルはどんどん変わっていくことです。新しい媒体、メディアはスタイルです。いくらパソコンを習っても、情報についての概念をしっかり把握しないと、情報に操作されてしまいます。スタイルの変化を見越してその先にあるものを見抜く力を育成することが必要です。

 土曜日に時間割の微調整で一日仕事でした。一度作成したのでも、よく検討すると不具合があって、その微調整です。時間割を移動するときは、いろいろな条件に重ならないように配慮しますが、それでも漏れてしまうことがあるので、確認するのにかなりの時間がかかります。季節ごとに条件が変わることがあって、冬期の屋外では時間制限もあり、それらと重複しないように配慮しますが、結果として思うような条件を成立させられないこともあって、それが労働条件に結びついてしまうこともあり、苦心するところです。いわゆる「配慮」に関する条件さえなければ、簡単に完成するのですが、そのあたりは思案のしどころです。

 デジタル画像から銀塩写真に焼き付けるサービスを利用してみましたが、なかなかいい発色です。やりは銀塩写真の印画紙の発色は、プリンタに勝ります。

 突然に神社から送られてきた暦では、今年の運勢は不動がいいということらしいです。

 初詣のお寺では、おたきあげができずに、廃棄することになったということです。ダイオキシンの関係でしょう。もう一つ気になるのが火葬場の対策です。人体を燃焼するとダイオキシンはどれぐらい生じるのか。やはり大地に返すべきなのか。人体は死して肥料になるのか。もちろん疫病も気になります。いろいろと科学の力が必要ですが、解決する道はどうなのでしょうか。

[今日の記録]
睡眠時間:4:30就寝、10:00起床、5:30時間。
天気:晴
最高気温:11度

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