鴛鴦呼蝉庵日乗
2001.9.11 酔いの精神性
   テレビのバラエティ番組で「さんまのからくりTV」というのがあり、以前、それを見ていたら、「サラリーマン早調べクイズ」というのがありました。そこで、酒に酔ったサラリーマンが、電話をかけて知り合いに答えを聞くという形式のクイズなのですが、あるサラリーマンが、かなり酩酊に近い状態で、いきつけの飲み屋の女性の従業員に電話をかけます。しかし、あいてはあっさりと電話を切ってしまいます。その切り方のあっさりした方法なかなかですが、事件はこの後に起こるのです。電話番号を覚えてないので、携帯電話のアドレスを表示し、電話をかけることもできない状態でしたから、司会者に電話をかけてもらいます。そして、電話が通じるなり、相手の女性の名前をいって、「さっきはひどいじゃない、××ちゃん」と言うのですが、電話の相手はまじめな声で「あんた、××って誰よ」とかなり怒った声がします。お店にかけるつもりが自分の家にかけてしまい、そして、店の女性の名前を言ってしまったからには、それまでの行状がばれてしまったのでした。その時のそのサラリーマンはまじめな顔で「ど゜うしよう」と言い、すっかり酔いがさめたようです
 すると、酔いというのは何かの拍子に醒めるものならば、酔いというのは身体的な行為ではなく、気分や意識によって行なわれる精神的な行為であるということが出来ます。
 たしかに、偉い人と一緒に酒を飲んでもちっとも酔うことができません。明日のことや、寝ることを心配するとほとんど酔いはありません。疲れた時は別ですが、酔うときは、確かに安心感のある時に酔います。
 もしかしたら、これは眠気も同じかもしれません。仕事がない時は、かなり眠くなりますが、忙しく締め切りに追われる時は、睡眠時間は3時間でも十分です。緊張感というのでしょうか、緊張し続けることは体に悪いのですが、しかし、緊張していると、調子がいいのも事実です。今年は春から忙しかったのですが、その忙しさの中で、健康診断を受けたら健康であると言われました。昨年までは何かしら注意があったのに、今年は健康というのですが、実際は睡眠不足であり、体調も不安定で、動悸もでますし、めまいも、頭痛もあります。しかし、健康であるというのは、不思議なことです。 健康というのも、精神的なものかもしれません。
 ダイエットもそうかもしれません。いつの間にか、食べることも、健康のために食べる、やせるために食べるということが中心になってしまい、おいしく食べる、あるいはおいしいものを食べた喜びというものが、二次的になりやすいような気がします。食べることは喜びです。歓ぶと精神的にも、体内的にも健康になります。健康とは、体という組織の問題よりも、精神的な影響が大きいのではないかと思います。
 物理的に考えることが多いのですが、その中のほとんどは精神的なものの影響ではないかと思います。その影響があるなら、その影響をどのように自分の中によりよい方向にしていくか、これが人生の楽しみではないかと、最近感じました。
  ◇
 台風が過ぎた後で、夕刻、散歩しました。蒸し暑い中にも、ちょっとした草のにおいがして、秋を楽しむことができました。しかし、そんなことも、夜のニュースで入った、アメリカの大惨事を見て、阪神淡路大震災を思い出し、今後は戦争にならなければよいがと思い、深刻に明日のことを考えてしまいました。なかなか、平和はたどりつけません。とりあえず、日々の平和をしっかり楽しむことから、平和を作ることができるのではないか、そう思うと、いろいろなことをがんばってみようという気になります。もちろん、気のみあせっていることも確かです。明日からは締め切りに追われて、忙しくなり、この日乗も短めか、休みがちになります。思いついたことをメモしてここに残すことにします。ここは自分への記録、メッセージとなっていますから。


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