2003.01.21 写真史
 最近、眠さというよりも、風邪が体内を駆けめぐっているような感覚で、どうも忘れやすく、昨日も本文をアップしたのに、メニューアップしていませんでしたから、リンクのみでたどるとなっています。メニューから考えるか、それともリンクでたどるかどちらが多いでしょうか。

 昨日、写真のことについてふれたのですが、そうしたら新聞におくやみが出てました。敬称略で、横須賀功光が亡くなったとのことです。秋山庄太郎も今年になって亡くなって、写真の歴史の上で語るべき人たちが消えていきます。土門拳、渡辺義雄、それぞれ時代を背負った人々が亡くなって、残念ですが、その遺産は残ります。秋山庄太郎は、はるか昔にワークショップに参加したことがあります。あの巨体で写真を撮るとはどういうことかを展開していました。終わってからサインを求めましたが、列の一番最後で、少々渋っていましたが、それでも「はいっ」と渡されたことを覚え居ます。写真家のサインを持っているのはわずかで、秋山庄太郎、奈良原一高、東松照明、それにリチャード・アベドンです。アベドンは写真も撮りました。たとたどしい英語で訪ねましたが、快く引き受けていただけました。あの頃は、私も写真に熱中していましたね。
 特に、VIVOは興味がありました。もうすでに終わっていまして、私の頃は森山大道や中平卓馬全盛期の頃でした。アサヒカメラは岡田編集長だったでしょうか。東松照明の『太陽の鉛筆』の頃は写真界もよかったと思います。さて、VIVOのメンバー、つまり、奈良原一高、佐藤明、細江英公、川田喜久治、丹野章らですが、とセルフエージェンシーのVIVOは1959年に成立したのです。最近も細江英公の『薔薇刑』について説明したばかりでした。東松照明の写真集は『おお、新宿』しか持っていないのですが、「東松照明の世界展」は横浜まで行きました。入り口で名前を書いたら、私の名前を知っている人がいて、驚きましたが。そんな有名ではなかったはずです。新潟の小出太郎は有名でしたが。もっとも彼とは面識はありません。
 奈良原一高の写真集は『消滅した時間』を当時買いましたね。たしか、7千円だと思います。いい写真集でした。たしか、ISO感度の低いフィルムで、マイクロドールXで現像したのではいかと。減感したのかもしませんね。あの色調だと。あの写真集の世界が好きで、白黒の世界をいろいろ探し回ったことがあります。白黒の世界とは、白黒で表現できる被写体と、白黒の写真ということです。

 それで粒状性を考えると、大判カメラになります。4×5か8×10がいいと思いました。今でも、8×10にあこがれますが、最初は6×7から入ろうかと思います。それより先にデジカメから入るかもしれませんが。簡単に結果を見ることができますから。

 それで、今日購入した書籍は次の通りです。
"Ansel Adams' California"
"The Grand Canyon and the South"
"Ansel Adams: Letters 1916-1984"
 すこしめくったのですが、週末までとっておくことにしました。いい本です。写真家として Ansel Adams は一番興味あって、日芸と九産にコレクションがあるのですが、全てを見ていないのでいずれみたいと思います。フレンズ・オブ・フォトグラフィーなど、いろいろな活動をしていますし、写真のみならず、環境保護についても活動しているところが、写真を通して生き甲斐を考えている、生き様があるということでうらやしく思います。

 いつの日か、そういう日を願っているのですが、それがいつか、まだわかりません。ただ、いつかなのです。写真や文章や研究やそういう表現を、統一するのでなくて、自己表現が自分の生き甲斐となる日まで。先が見えないからこそ、つらいのですが、自分を失うことが一番辛いのでしょう。語れないもの、その中に真実がある、そう考えています。ここに書けない思い、それが一番の根幹なのですが、人には思いを伝えないこともあります。それは自分で抱えられるからでなく、伝えることで自分を失うことがあるからです。その思いとは悩みと行っていいでしょう。悩みといってもただ漠然としたもので、物欲などではないのです。わからないイライラ、わからない原因、そして自分に対しての反省。そんなことを繰り返していると、自分の中の原動力が低くなっているのがわかります。わかるから、改善したくても、改善できないようになる。それは瞬発力の不足です。
 簡単に元気を与えることができるか、それは難しい課題です。

 でも、誰にも私の進む道を止められないから、私は進むことができる、そうわかっていても、進めないのが、自己嫌悪となります。だから、今必要なのは読書と調査でしょう。いや、行動力です。確かに、それが足りない。

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