鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.03.18 自分に引き込む

 仕事が終わってから田近先生と牛山恵先生と、皆さんと会食。白木屋で。その中で、素材と研究について、話題が。
  素材には、何もないのです。素材は河原の石で、それはいい石かどうかわからない。その石を磨いても、いい石か、玉かはわかりません。ただ、玉であっても、未かがざれば何も意味がありません。つまり、引き込み方なのです。自分の世界に引き込めるかどうかにかかっています。同じ文献、素材、モチーフでも、解釈する一によって結果、結論は異なります。その料理の方法が問題であり、引き込み方、自分の意識の中に入れることが重要なのであり、その引き込み方がかからないから苦労するのです。研究の目的とは、その引き込み方にあるのではないでしょうか。
 いや、全てのことは客観的に描写といいながら、実は自分に引き込んでいるのです。引き込めないものは、結局苦手な、あるいは嫌いなものとして存在してしまう。だからこそ、引き込みをしていくことで、自分なりの解釈が可能となり、自分の意見を作ることができます。

 新しい田近先生の研究室を見学しました。今の研究室よりも少し広いのがいいですね。もうすでに本もいっぱいで、これから自宅の本を運ぶとか。不要な本を整理しないといけません。これからゆっくりとやります。開所式は4月5日。時間があれば参加したいですね。新しい運動として。もっとも、これからの月に一回の研究会には参加する予定です。

梅の写真です。背景が白梅なので、すこしグレーに見えます。

 朝から外勤で、忙しい日でした。何カ所回ったか。よく働いたという実感は、動きの量と、頭の回転の量に関わるようです。


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