blue 鴛鴦呼蝉庵日乗
2004.08.14  「文化体」

 世代交代ということがあります。世代を交代することで、どんどん新しいことを生み出すのです。世代交代することは、そのまま守るのではなくて、新しく作ることにあります。リストラという言葉にあまりよい印象を持っていないのは、リストラすることは、人材を抑制することで、それによって効率的にはなっても、新しいアイデアで新しい発展はないのです。新しい世界は人生です。若い人々の感性です。若い人たちの作る力は偉大です。それは、モノでもネット上のものでも。サイトでも若い人の作る感性は、さすがと思わせるのが多くなっています。そういう若い人たちの作るものを評価して、支援していくことが必要です。
  リストラの話に似ていますが、企業が業績を伸ばすには、膨張した人件費を抑制するために人を減らすのみではもともとの規模が小さくなるだけです。それでは進歩はありません。進歩するには、世代交代によって、若い人に権限を委譲して、そして育てていくことにあります。若い人をどんどん登用して失敗しても、次へのチャレンジを忘れないような力強さを作ることです。そしてそれによって学ぶことのできる、頭を作ることです。感性と理性、そして豊かな感情。そういうものが企業体を含めた、社会を作ります。それは、生活にも影響します。
  その状況を私は、「文化体」と名付けたいと思います。企業体ではなくて、その地域や社会や世代の文化を育成していく、醸成していくもの。それを「文化体」としてうごめくものに考えたいのです。文化とは違います。文化とはそれによって、捨象された、抽象概念、あるいは形や行為です。「文化体」とは、それを推進する人々の集団、あるいはゆるやかなボーダレスの雰囲気、そして運動、行動を含む、人とモノとの接点である、行動、思想、感性、感情を含む総体です。
  この「文化体」を育成していくには、世代交代が必要です。世代交代によって、新しい概念、新しいものを作り出すのです。古いものを否定するのではありません。古いものをそれを継承して、新しいものを作り出す。そこに価値があります。

 若い人と話したり、聞いたりしているとき、その感性の斬新さにいつも感心させられています。「ああ、そう考えるんだ」とか、「そう活かすのか」とか。たぶんそれは、ちょっとしたこと、文章や絵とかいう基礎的な段階から生まれているのです。ちょっとしたこと、その意見は大切です。感性は大切です。ただ、若い人の感性は、評価されにくいですから、いつかそれを抑えて標準という思想のもとに、だんだんあきらめていきます。それは、若い人の芽を摘んでしまうことになります。
  もっと自由に、もっと大胆に表現できるような環境が必要です。そこには、認めていくこと、しつけばかりに気を取られていて、本当の資質、素質を伸ばすことを、そしてその伸ばしができなくなってきた大人の感性の勝負、それを忘れているのです。
  ある程度のツールを与えることで、若い人は、そこから果てしない力を発揮します。時には、その表現に悩み、とまどうこともあるでしょう。でも、そこに義務を生じさせないで、ただ、そこに表現を認めていくこと、正しい評価を与えること、それによって、自己成長できるように育成していくこと、それが大人の役目です。
  規制ではなく、伸長。そこにこそ、世代交代、文化体の成長があると思います。

 先日も勤務先で末端管理の役(中間管理の下の意味)を担うことがありましたが、そのときに、若手を起用することにしました。もちろん、スケジュールやさまざまな注意点はこちらで把握しておいて、要所のみ指摘して、あとは任せたのですが、本人達は、それほど強い意識を持つことなく、責任を全うしたのです。たぶん、世代交代という意識はないでしょうけど、そういう機会を何度か持つことで、自身につながり、そして、新しい意見や方法を生むでしょう。それがかえって、企業の促進になります。若手を育成すること、それは、挑戦する機会を与えることにほかなりません。「やってごらん」。そういうことなのです。

 最近、ラジオから流れる新しい人の曲を聴くことが多くなりましたが、その中には、昔との比較ではなくて、現在の若い人の感性が感じられて、いいものはよくて、つまらないものはつまらない、というように感じますが、ただ、昔と違って、範囲が広くなって、自由になってきたと思います。音の広がり、演劇の広がり、絵の広がり、広がり続けると自己満足になりますが、その自己満足を乗り越えることをどうやってしていくかですね。そこにこそ、価値がありそうです。

 5:00就寝、9:00起床、4:00睡眠。
  朝食、なし。昼食、素麺、冷や奴。夕食、ごはん、みそ汁、野菜いため、冷や奴、サラダ。夜食、なし。

 
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