鴛鴦呼蝉庵日乗
2005.07.04  促進と迎合

 中学生、高校生の教科書やそれに関わる教材が、最近特に漫画やカラー化、イラストの多用が見られます。学習意欲を喚起するのでしょうが、学習意欲とは学習から生まれると思います。調べてわかったときのよろこびです。大村はま教室で、生徒たちは分担された図書館の本棚を一冊ずつ調べて、そのうちに知らなかった本の世界を知り始めて、調べることのおもしろさを知ります。
  装飾から入るのではなくて、文字や絵や動画や音声や、いろいろな媒体が、その媒体を調べていくことで、おもしろさを知るのです。装飾なら装飾です。文法にイラストが入っても、文法はことばなのです。ことばのおもしろさはことばから入るのです。
  一つ間違えると、学ぶ人がいかにも知的レベルや学習レベルが低いという見方が生まれてしまいます。それは、見る側からすれば、作る側の低俗さに映ってしまいます。ここは注意していかないと、怖いことになります。

 大修館書店の円満子さんが、岩波新書を出されることに。うれしいことです。

 pdfについては、バージョンがあります。それを考慮して作成しないと、汎用性がなくなります。まだ世の中にはWindows95、あるいはWindows3.1の人もいるわけですから。汎用性ということは、ユーザーを広く受け入れることです。締め出すことではありません。技術に頼ると、この基本を忘れがちです。本質を見抜かないと、いろいろと曲がってしまうことはよくあります。また、それについて説明するのもいいかげん疲れてきました。

[今日の記録]
睡眠時間:4:00就寝、7:00起床、3:00時間。
最高気温:22度

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