鴛鴦呼蝉庵日乗

2006.05.10  人件費を考えると切なくなる

 通勤途中にレンタカーの車庫の横を通りますが、連休前には見事に車がなくなっていたのに、今日には元の満車の状態になっていました。普段あまり利用が無くても、連休に一斉に利用が有れば、元が取れるのでしょうか。知りたいところです。つまるところ、損益分岐ですね。

 説明文で、例を3つ出して、最後にまとめている場合、どのように展開していくか。まずは、本文の正確な読み。結論はどこにあって、何か。次にそれぞれの例は何を言うためなのか、そしてそれぞれの例の特色、他と違う点は何か。三番目に、その例が他にあるか。実際に例が少ないのなら、筆者の論は不具合が生じる。それゆえ、筆者の論の整合性を確認する。最後に、他のものを筆者の視点で見てみる。それで、筆者の論が正しいのか確認できる。
  ということができるのですが、問題は文学的文章で、以前なら簡単に消化できた「山月記」も簡単に消化できません。自己学習能力を開発していくことが目的なのですが、何を取り扱うかの指針が見えないと、先に行けないようです。たぶん、習慣によるので、少しゆさぶりと、自己学習への責任と、発展について深くさぐることに。ここ、少しが山場です。語りの構造を理解すること、それが目的なのですが、それがまた深遠なのです。

 春闘アンケートの集計が終わり、春闘要求書素案がようやくできあがり。ただ、迷うのが、景気回復だからベアを取るというのは、筋が合っていますが、ベアはその先まで影響するものですから、永続的な物価上昇や収入増に比例するわけです。人件費はずっと増えていって、ある時に減ってまた増えるわけですから。特に、景気に左右しない業種の場合は、見極めていくことが必要ではないかと。
  で、最近考えたのが、給与や手当、一時金のみならず、賃金のみならず、労働者に使われる費用、たとえば研究費や図書費や厚生費、お茶とか浄水器とか、そういう環境品などについても含めて、いくら労働者に対価として用意しているかという考え。それを本来は人件費にするのですが、しかし、そうなっていない所もあるようです。今の職場はそれも含めているのですが、大学などでは教育研究費は別枠のがあって、人件費と教育研究費と合わせると70%ちょっとになるでしょう。それが健全な考えだと思います。68%から70%ぐらい、特に人が大切な企業だと、75%が最大値ではないかと。
  労働者が使用者側の論理を使うのは本末転倒のように見えますが、企業を伸ばしていくためには、その本筋である、将来設計を労働者も使用者も作るべきだと思います。
  と、ある都内の学校では、11人解雇だとか。そして、一時金についても、解雇した後に支給し、それは例年よりも遅いとか。例年なら解雇前に支給されるのに、あえて狙ったとしか思えません。なおかつ、そのための団交を拒否したとか。いよいよもって、あやしい経営実態です。校舎拡張は頻繁なのに。上部団体が別なので詳しい情報は入りませんが、いや、今の勤務先の労使協調路線、協調というよりも、労使の協議がちゃんと行われている所は、健全だと胸を張って働ける、そういうことだと思います。まだまだ、先は長いかと。なるべく早く春闘を妥結したいのですが。

  ここ数日は、春闘アンケートの集計と、労働状況の調査、退職金計算、同業種での比較検討、そんなことばかりしていました。数字を目にすると、すぐに時間が経ってしまいます。で、昨日も夜明けまで。この役目も今年で任期終了。最後の奉公なので、体調的にも辛いところがありますが、辛抱一番です。時たま、なんで私がこんなに辛いことばかりするのかという気にもなりますが、それは偶然と巡り合わせと考えないと、ばからしくなります。使命とかではなくて。頼られていると、無責任に押しつけられるとは同義語になりやすいので、意識をどちらかにするかですね。義憤ではなくて。

 岩井俊二監督が人材育成に意欲的な活動とか。やはり人は人を育てること、これが世の中の基本なのです。だからこそ、教育ということは大切なのであって、人間科学でもありますが、やはり教育なのです。

 明日は久しぶりの歌舞伎です。

 風邪の症状はだんだん悪化。声もかすれて、喉の痛み、咳はひどく、漢方薬で抑えていますが、どこまで持つか。

[今日の記録]
睡眠時間:5:30就寝、6:50起床、1:20時間。
天気:小雨
最高気温:23度

前へ 目次 次へ
かくかい Copyright 黒川孝広 © 1997-2006,Kurokawa Takahiro All rights reserved.
  かくかい