ここのところ、浜本先生の依頼で、関根正直と「近体国文教科書」について調査。関根正直については後日。これもいろいろとあるので。
関根正直の「近体国文教科書」は、上下巻が明治21年3月31日に発行され、発行兼印刷は十一堂。発行所は中央堂。
その後、明治22年3月31日に三之巻、四之巻が発行され、発行所は十一堂。
最初に2巻本を刊行して、翌年に続編を刊行したと思われる。
関根正直「近体国文教科書」上巻、下巻、三巻、四巻
標目の( )は本文による。出典の( )は本文による。出典の後の「 」は翻刻者(黒川)による。
近体国文教科書上巻 |
修行の心得、 |
松木直秀 |
琴園漫録 |
老人の言は、経験より出づ。 |
荒井尭民 |
梧坡教諭 |
小児の才芸、頼み難し。 |
橘 南谿 |
北窓瑣談 |
善を誉むるも、妄りにしがたし。 |
同 |
北窓瑣談 |
人の信偽は、おのが心のまゝ也。 |
柳澤淇園 |
雲萍雑志 |
時刻をはかるは、怠る者のわざ、 |
同 |
雲萍雑志 |
さまざまのなりはひ、 |
同 |
雲萍雑志 |
魚鳥の食、 |
伊勢貞丈 |
秋草 |
餝り太刀、 |
同 |
冬草 |
書札文字の死活、 |
菅 茶山 |
筆のすさび |
難字はかなにかくべし。 |
三浦浄心 |
慶長見聞集 |
知を開くは、学問の効、 |
貝原益軒 |
大和俗訓 |
一つ宛勤めて、事を仕遂げよ。 |
同 |
大和俗訓 |
人に交はる道、 |
同 |
大和俗訓 |
身は世をわたる舟、 |
同 |
大和俗訓 |
世俗の怪談、すべて実なし。 |
同 |
大和俗訓 |
卑下にも程あり。 |
同 |
大和俗訓 |
平生心がくべきこと、 |
同 |
家道訓 |
妻のつとめ、 |
同 |
家道訓 |
身の程を知りて、楽しむべし。 |
同 |
家道訓 |
無益に時を失ふことなかれ。 |
同 |
楽訓 |
けふの日を惜むべし。 |
同 |
楽訓 |
人は恥心あるをよしとす。 |
熊澤了芥 |
集義和書 |
唐崎の孤松、 |
瀧澤馬琴 |
蓑笠雨談 |
稚児の教養、 |
中村タ斎 |
比売鏡「比売鑑」 |
女の四徳、 |
同 |
姫鏡「比売鑑」 |
志づかの貞烈、 |
室 鳩巣 |
駿台雑話 |
むかしの士風、 |
同 |
駿台雑話 |
細川幽斎文武のほまれ、 |
新井白石 |
藩翰譜 |
結城秀康関東の大将を承る。 |
同 |
藩翰譜 |
(結城)直政初陣の時母の誡め、 |
同 |
藩翰譜 |
大江廣元を論ず。 |
同 |
読史余論 |
北條泰時奸僧を逐ふ。 |
同 |
読史余論 |
封事の大意、 |
同 |
折焚柴の記「折たく柴の記」 |
近体国文教科書下巻 |
節倹の訓、 |
安藤年山 |
年山記聞 |
自棄のいましめ、 |
同 |
年山記聞 |
歌学は、師伝を要せず。 |
太宰春台 |
獨語 |
古き唱歌、鄙俗ならず。 |
同 |
獨語 |
寛永の頃、江戸の風俗、 |
同 |
獨語 |
屏風表具の類ひ、画の方よし。 |
中山三柳 |
飛鳥川 |
太平の世を楽しむ。 |
同 |
醍醐随筆 |
僧日初の著書、 |
伴 蒿蹊 |
近世畸人伝 |
矢部正子の伝、 |
同 |
近世畸人伝 |
松女のみさを、 |
藤井懶斎 |
壷の石ぶみ |
韻の反切を、あしく扱ひたる話し。 |
清水濱臣 |
油々筆話 |
国字解のさた、 |
石原正明 |
年々随筆 |
眉そり歯くろめ、 |
同 |
年々随筆 |
皇国の事を、知らぬ学者、 |
本居宣長 |
玉かつま「玉勝間」 |
詩の読みやう、 |
同 |
玉かつま「玉勝間」 |
書籍の貸借、 |
同 |
たまかつま「玉勝間」 |
後世の事物、古代にまさる。 |
同 |
玉勝間 |
神のめぐみ、 |
同 |
玉勝間 |
手習ひの始め、 |
伴 信友 |
假字の本来 |
四方拜の由来、 |
藤原兼良 |
公事根源 |
朝覲御幸の例、 |
同 |
公事根源 |
初雪の見参、 |
同 |
公事根源 |
賢人君子は、国の寶、 |
同 |
小夜のねざめ |
女とて、あなづるべからず。 |
同 |
小夜の寝覚 |
(小人)の黨を立つるはよからぬ事なり。 |
同 |
小夜のねざめ |
一飯の恩も報ゆべし。 |
同 |
小夜のねざめ |
人として父母なきものなし。 |
同 |
文明一統記 |
物真似のとが、 |
同 |
東齋随筆 |
行成卿人と争はす。 |
同 |
東齋随筆 |
隠岐のかり宮 |
小島法師 |
作者詳ならず
(太平記) |
小山田高家、舊思を報ず。 |
同 |
太平記 |
武夫の、勢力を得しさま、 |
同 |
太平記 |
神徳と、皇恩とを思ふべし。 |
源 親房 |
神皇正統記 |
後三條天皇記録所を置かる。 |
同 |
神皇正統記 |
国民の、王事に勤むるは、功とするに足らず。 |
同 |
神皇正統記 |
臣民のつとめ、 |
同 |
神皇正統記 |
文藝は、民を導くに要樞なり。 |
同 |
神皇正統記 |
後醍醐天皇、朝権を回復し給ふ。 |
同 |
神皇正統記 |
三種の神器のゆくへ、 |
同 |
神皇正統記 |
近体国文教科書三 |
正月の門松 |
藤井高尚 |
松の落葉 |
左袵の服 |
同 |
松の落葉 |
絵馬の額 |
同 |
松の落葉 |
国名に某州又某陽など書く事 |
石原正明 |
年々随筆 |
京都を洛陽又長安といふ事 |
同 |
年々随筆 |
初春のけしき |
同 |
年々随筆 |
孝女微妙 |
松平容敬 |
皇朝二十四孝 |
犬追物の古儀 |
作者未詳 |
徳川氏御実記附録 |
安宅丸上覧 |
同 |
徳川氏御実記附録 |
時勢の遷変 |
伊達千広 |
大勢三転考 |
藤原氏の威勢 |
同 |
大勢三伝考 |
足利氏の治世 |
同 |
大勢三伝考 |
志だに致さば何事か成らざらん |
林羅山 |
徒然草野槌 |
高陽親王機関木偶ヲ造ル |
作者未詳 |
今昔物語 |
百済川成飛騨ノ工ノ技術 |
同 |
今昔物語 |
僧長秀医ヲ兼ヌ |
同 |
今昔物語 |
博雅三位蝉丸ノ庵ヲ訪フ |
同 |
今昔物語 |
貧女歌ヲ詠ジテ鏡ヲ売ル |
同 |
今昔物語 |
巨勢広高ノ地獄絵 |
同 |
今昔物語 |
下衆ノ男前妻ニ恵マル |
同 |
今昔物語 |
佐渡ノ国人知ラヌ島ニ漂流ス |
同 |
今昔物語 |
越後ノ浜ニ小舟漂着ス |
同 |
今昔物語 |
逆臣入鹿誅ニ伏ス |
同 |
今昔物語 |
天武天皇と大友皇子の御事 |
源隆国 |
宇治拾遺物語 |
伴大納言応天門を焼く |
同 |
宇治拾遺物語 |
戦中の連歌 |
橘成季 |
古今著聞集 |
蟷螂後にあり |
同 |
古今著聞集 |
須磨のあま人 |
西行法師 |
撰集抄 |
歌は面白し読人はをこなり |
同 |
撰集抄 |
歌の風致を論ず |
荒木田久老 |
信濃漫録 |
池の藻屑の跋 |
荒木田麗女 |
池の藻屑 |
近体国文教科書四 |
旧都ノ月 |
作者未詳 |
源平盛衰記 |
故郷ノ花 |
同 |
源平盛衰記 |
浮島ゲ原ノ対面 |
同 |
源平盛衰記 |
宇治川の先陣 |
同 |
源平盛衰記 |
扇ノ的 |
同 |
源平盛衰記 |
藤房卿のすてぶみ |
藤原吉房 |
吉野拾遺 |
弁内侍の秀句 |
同 |
吉野拾遺 |
孝子隈王 |
同 |
吉野拾遺 |
三種のすすき |
鴨長明 |
無名抄 |
朝政ノ儀式 |
作者未詳 |
続古事談 |
寒夜ニ御衣ヲ脱キ給フ |
同 |
続古事談 |
菅公善宰相ノ言ヲ納レズ |
同 |
続古事談 |
信西入道唐音ヲ学フ |
同 |
続古事談 |
高麗王名医ヲ我ニ求ム |
同 |
続古事談 |
地頭ノ名義 |
同 |
続古事談 |
白拍子舞ノ評 |
同 |
続古事談 |
野見宿禰創めて埴輪を造る |
藤原忠親 |
水鏡 |
仏法始めて渡る |
同 |
水鏡 |
延喜帝世間の過差を制し給ふ |
作者未詳 |
大鏡 |
佐理卿手跡のほまれ |
同 |
大鏡 |
花山院風流におはす |
同 |
大鏡 |
梅花のあるじ |
同 |
大鏡 |
道ある御世 |
同 |
増鏡 |
跡なき雪 |
同 |
増鏡 |
志賀の浦波 |
同 |
増鏡 |
笠置山の時雨 |
同 |
増鏡 |
入相の鐘 |
同 |
増鏡 |
よつの緒 |
同 |
増鏡 |
あまの釣船 |
同 |
増鏡 |
舟のうへ |
同 |
増鏡 |
立かへる波 |
同 |
増鏡 |
|
これから研究する人のために、記録。なお、上下巻については早稲田大学の古典籍データペースで画像を閲覧できます。早稲田大学に感謝。三、四は架蔵のを参照。
紀要の発送。多くの方にお世話になりました。坂口、熊谷、寺崎、幸田さんと久しぶりに。といっても、数週間前ですが。
[今日の記録]
睡眠時間:6:30就寝、7:30起床、1:00時間。
天気:曇
最高気温:28度 |