鴛鴦呼蝉庵日乗

2006.07.27  投資と安価

 勤務先のHPの修正作業が本日で終了。無事公開へ。自前で作るのではなく、デザイン会社に作成とサーバー管理を一緒に依頼しているので、こちらでhtml管理をしなくてすむというのが利点。特に、サーバー管理だと管理者を置くことになり、いざというときの対応がとても大変になるので、自前サーバーは持たない方針にしていました。コンテンツの質を維持するには、サーバー管理などの部門を別にした方がいいのですが、それをコストダウンということで、混在すると、安価ということで、質まで下げてしまうことがあります。リストラによって、企業利益が上がることはほとんどないでしょう。支出を抑えるということと、収入を増やすということは、別問題なのです。投資したものが回収できるのが一番ですが、人間に投資した場合は回収できないことが多くあります。しかし、その分は伝統ということで、これからの社会のために役立つということでは、還元されたことになります。
  以前、勤務先にいた人、すでに定年でいないのですが、今から20年以上も前にワープロを購入して、たしかその頃は「ビジネス文豪」の11Nか13Nだったと思うのですが、80万か60万か、それぐらいしたのでしょう。10Nが90万ぐらいでしたから。単漢字変換でした。そして、その後すぐにN5200シリーズを購入したのです。まだ8インチフロッピーでした。今は誰も持っていないであろう、8インチです。NECのワープロは単漢字変換で遅く、しかしそれでも使用していたのです。その時に私はすでに「一太郎」を使っていました。その時、60万とも30万ともしたワープロ専用機やオフコンを導入したのか、当時の担当者に尋ねたら、「安いモノを買って、使わなくなったら意味がない。買うときは価値のあるものでしっかりした高品質のものを買うべきだ」と主張したのです。1986年にはCAIとCMIについての研修が始まり、CAIの現状について調査したりしました。そのような時期にすでにコンピュータ化については先進的だったのです。当時は高額だったにもかかわらず、パソコンの購入は毎年で、8インチ、5インチ、3.5インチのフロッピーと変化し、8ビットから16ビット、32ビットと変化しました。8ビットのころに8時間以上かかって計算したプログラムも16ビットになって1時間もかからなくなりました。そして、32ビットになって、圧倒的に早くなったのです。お金のことを考えたら、当時のワープロ専用機に投資するのはどうかという意見があったに違いないのです。特に、当時はワープロ専用機を専門に置いた部屋があったぐらいでした。ACOSも当時から見たらかなりの高額でしたが、機械化によって多くの時間が省略でき、その分を別の仕事を増やす、新しい展開をしていくことができます。そのために、省略可するわけです。
  リストラが減らすためなら、その組織はあぶないのです。減らすのではなくて別の所、コンテンツや精神も含めて増やすという考えでないと先へ進めません。安物を買うという発想は省エネなのでしょうが、しかし、文化や精神や環境という観点からみたら、高額であっても、使用頻度が高くそれで楽になるのであり、それが社会に還元できるのであれば、その金額は安いということになります。そのあたりをきちんと検討していくべきではないかと。

 自前サーバーという投資はかっこよく聞こえますが、メンテナンスなどを含めて、どのことが一番良いのかを考える時期ではないかと思います。印刷もしかりで、自前で印刷してしまうことは、印刷業界を圧迫していくわけで、そのために自分の時間が減っていくということなら、それをやっていくことの意味はあるのかどうかということです。

 時間と金額、そしてコンテンツ、質との問題、その他の問題があって、その中でいいかどうかという判断、それは、使う側や文化を伝承する側の姿勢なのでしょう。

[今日の記録]
睡眠時間:5:00就寝、7:00起床、2:00時間。
天気:曇
最高気温:30度

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