鴛鴦呼蝉庵日乗

2006.09.12  歐陽詢

 勤務先の仕事で、急に舞い込んだのですのが、以前より不思議に思いつつ、そのままにしておいてもので、ようやくけりをつけようと思い、引き受けました。
  歐陽詢の手なのですが、法帖の拓本に違い有りません。ただ、「貞観元年暮春三日」「銀青光禄大夫歐陽詢書」とあって、比較的大きな字で、そして横長の拓本には、「郎官石記」の文字が。張旭の「郎官石記序」の「郎官石記」なのでしょうけど、現物はすでにないはずなので、あるということは模本となります。もっとも、元の拓本を元におこした法帖ですから、模本には違い有りません。気になるのが「上天」から始まる語句が、中途半端で、多分前半がないのでしょう。でも、「第一」などと小さい「郎官石記」の文字があるので、始まりはそこに間違いないのですが、中途半端な文章です。歐陽詢と「郎官石記」の関係は見つかりませんでしたが、どうも怪しいと思いつつ、怪しいということを100%証明できないので、本物ということにしておきます。明日にでも、画像を出したいのですが、果たして存じている方がいらっしゃるといいのですが。「宣」の丸印があるのと、大きな御璽があるから、いずれかの皇帝なのですが、たぶん康煕帝の前後だと思います。乾隆帝ではないようで、どうなのか、もう少し調べてみます。

 戸塚玉華先生のご逝去を知りました。曽根翠苑先生のところにいて、同時に慈光支部もなさっていたのですが、のちに伝芳支部でに独立したと記憶しています。とにかくエネルギッシュな人でした。筆を持つと、全身で動いて、筆先が紙に食い込むように、そして流れるように書かれていました。曽根先生はリズミカルに筆を動かす人で、ちょっと紙をながめると、作品の構成が理解できるようで、心地よいリズムで作品を仕上げます。そういう二人の先生が並んで指導している所、まだ曽根先生の旧宅でしたが、懐かしい場所です。情熱的時代を生きた人がまた一人去りました。曽根先生の後を逝ってしまわれました。ご冥福をお祈りいたします。

 大津先生からインターンについてのご連絡。今月中に打ち合わせの予定。

 数日前から、首が痛くて、むちうちの症状と似ています。首をかがんだり、後ろに反らすと激痛が。パソコンに向かうと、貧血気味になります。うまいぐあいにいかないものです。

[今日の記録]
睡眠時間:3:30就寝、6:50起床、2:20時間。
天気:雨
最高気温:23度

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