鴛鴦呼蝉庵日乗

2007.04.07  色の範囲

 色彩再現について、写真集であまり鮮やかでないと思うことが多く、その理由は紙質かインクかと思っていましたが、結局の所、色の再現性に問題があるということがようやく理解できてました。AdobeのRGBの範囲が、いわゆるCMYKとは違っていたということだったわけです。ということは、印刷では再現不可能であって、むしろ印刷に適した色で表現していると考える方が適切であるということになります。
  +DESIGNingで、一部に東洋インクのkaleidoを使っていて、鮮やかさとはこれほどまでに違うのかとようやく理解できました。白黒写真も写真集になると、その空気感が伝わらないのは、網点の問題というよりも、インクの再現性だと思います。多分、カラーだけでなく、黒にもその色彩の再現性があると思うのです。濃度ではなくて。

 今日は、仕事の関係で、倉澤先生の講演会は欠席。今日は西尾実先生のことだったので、特に行きたかったのですが、こういうこともあります。次回は是非参加したいと思いつつ、こういう研究会は原動力になります。

 組織論については終わる予定だったのですが、また考え出してしまいました。能力のある人を登用すると、その人がいるうちはいいのですが、その次の人が出なくなります。それゆえ、能力がある人がいるうちに、次の人を養成する、環境を整える必要があります。これと、マニュアル化は反することなのですが、まず大切なのが、仕事がその人を伸ばすということです。責任を感じたり、任せるということで伸びていきます。工夫の余地を各自にまかせることで、自分なりの工夫をすることになります。そのことがあるかないかです。できないことを叱責するよりも、目標を提示すること。方法については各自が考えることで伸びます。しかし、それでは今までの範囲を超えることはできません。越えるためには、そのこと自体の整合性や是非を検討できる、批判的能力があるかないかです。ただし、それは能力というよりも、感性に近いものです。
  マニュアルを作るということは、効率的であってとても有効なのですが、実は画一的人物を作ることにほかなりません。個性が発揮できてこそ、その個性の集合体が、ゆるやかにうごめいて伸びていきます。その個性を無視して画一的な人物を作るのであれば、批判的能力は育成せず、その組織の範囲は狭くなっていきます。
  出来ない人に仕事をつけないことは、出来る人に仕事が回ってしまうことであって、それは能力性なのですが、創造的ではありません。創造できる人の範囲を狭くしていることにもなります。集団は画一的な組織になるためには、マニュアル化とそして、組織図の固定があります。だれでもできるということは、誰である必要はありません。つまり、誰でもできることが、個性をなくしていくのです。
  万民にという発想は、与えられる機会についてであり、個性や能力ではないのです。

[今日の記録]
睡眠時間:3:30就寝、6:50起床、3:20時間。
天気:晴
最高気温:16度

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