鴛鴦呼蝉庵日乗

2011.07.03  素材と使い方

 普段は余り飲まない煎茶をしばらくの間飲んでいたのですが、どのように飲んでもあまりおいしくなく、本や雑誌に掲載されている通りにしても、あまりおいしくないという時期が続きました。茶葉のせいかもしれませんが、でも、どうもコクがない。茶葉ではなく、淹れ方だと思いますので、いくつか試してみました。
  まずは、お湯の温度。書かれているとおりにしても、あまりかわりません。そこで、少しぬるくしてもかわりませんでした。むしろ、少しぬるい方が少し渋みが増してました。渋みは熱いと出ると書いてあったものもあって、このあたりから、自分で試さないといけないと決意が強くなりつつも有り、かといって、お茶に専念するでもなく、ただ試行錯誤が続きました。湯飲みや急須もきれいに洗って茶渋のない状態で試しても、やはり変わらず、あまりおいしくないのです。淹れ方で変わると思っているので、その仮説を変えることなく試すことに。というのも、素材ではなく使い方であるというのは、以前実感したことがあります。
  日頃、ご飯は夜に研いで、予約にしておいて、朝炊きあがるようにしています。夏場になるとどうもおいしくなくなるのです。そこで、雑誌やお米屋さんのサイトに掲載されている炊き方を試しましたが、あまりおいしくなく、お米の甘みが引き出せませんでした。そんな中で、テレビの番組でお米の炊きくらべの番組があり、輸入米と日本のお米とどちらがおいしいかという比較でした。海外のお米の製造品質の向上から、外食産業では輸入米を導入することがあり、実際の食味を比較するというものです。ある調理師学校でその食味を比較するという段になって、米の種類を隠して炊くことになりました。そこの講師が研いでいる様子を見ると、しっかりとといでいるのです。それまで雑誌やサイトなどで見た、軽くすすぐていどいうのとは違って、しっかりと研いでいました。そして、水分量も、サイトや雑誌に書かれているお米の量に加えて、若干増やすというのも止めて、炊飯ジャーに書かれているところまで水を入れて炊くと、今までよりもおいしく炊けたのです。美味しく炊けないときは素材かと思っていたのですが、使い方を工夫することで、美味しくなったのです。そのことから、方法を試すことで変わるのではないかと思ったのです。
  お茶ですが、なかなか美味しくならないので、数カ月して、今まで飲んでいたお茶を淹れようとしたときに、やっと気がつきました。いつも使っている匙で茶葉をすくうと、感触が違うのです。いつも飲んでいる茶葉は軽く、ここ数カ月飲んでいた煎茶の茶葉は重かったのです。雑誌やサイトに書かれているのは、重さでした。しかし、小さじ何杯というところに着目していたので、重さは考えず量で見ていました。茶葉によっては、重さが違います。それぞの茶葉に合った量は重さに換算すると違ってきます。その違いを見て淹れることと、重さによってお湯の周り具合が違いことを考えていなかったのが原因でした。その後は、まだ美味しく淹れることはできないのですが、以前のようなまずい淹れ方にはなっていません。
  今でも十分、期待したおいしさにはなっていませんが、今のところは、量の少し減らし、お湯もより冷ましてから使うようにしています。そして、年ごとに茶葉の様子も異なりますから、同じ銘柄にしても、湯との関係を年ごとに見ていくことになりそうです。

[今日の記録]
天気:曇
最高気温:31度
最低気温:24度

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