2004.01.14  想像の効果   
 

 ものごとを一つから見ていることは、自分の虚構にとらわれてしまうことです。虚構のスイッチをはずすと現実が見えますが、しかし、現実はおもしろいようで、実は冷たいから、虚構のスイッチを入れます。江戸の頃から虚構は「見立て」として役立ちました。小さなもの、何かを見立てていくのです。たとえば、白い小さな山、塩の山でもいいですね、それを富士山として見て、眺めて、ああ、いいやまだなぁ、と鑑賞する。そういうそこにはないのですが、見立てることで、そこに存在させる、そういう想像力がありました。

 こういう想像力の一番の効果は何でしょうか。何もない、あるいは辛い状況は自分の価値観が一つにはまった時に現れます。一つの考えしかないから、それのみになってしまいます。自分の価値はないかもしれない、自分のくせ、あるいは容姿はきれいでないに違いないなどの先入観、固定観念で自分を縛ってしまうのです。それがひどくなれば鬱になりますし、引きこもります。自分の現状を打開できないと思ってしまうからです。それを打破するために、今の状況を別の視点から見ることが必要となります。それが想像力です。
  一つのものを別の視点からみる。辛いことも人生の成長の一つである。いやな人間も、乗り越える試練であって、その人とつきあうことで自分は丸くなる、などと肯定的に考えるのは、想像力です。実際にはそうでないかもしれませんから。そういう想像力は自分の辛い状況を打破し、新しい展開に向かわせます。それゆえ想像力とは問題解決に役立つと言われるのです。
  想像力を行使するのは、何も現実だけではありません。妄想もそうですね。控えめに妄想と言う人もいますが、一つのもの、たとえば小説の主人公や漫画の主人公をもとにして、ストーリーを展開するのは、想像力であって、妄想ではなく、現実にない世界を作り出すことで、楽しむことですから、それは自分にとっていいこと、有意義なことです。もちろんく、それは有意義とか特にこだわる必要もありませんが、楽しいということはとてもいいことですし、それは閉鎖ではなくて、実は新しい展開への解放です。
  想像することは、自分を縛っている虚構からの解放であり、自分を苦しめるものからの解放ですから、自己解放でもあり、そして自己存在を示す道でもあります。

 風呂に入ると、体が冷えているのか、じわっとしますね。それがあるから、長湯になります。

 4:20就寝、7:10起床、2:50睡眠。
  朝食、ごはん、生卵、梅干し一個。昼食、食パン2枚。夕食、鍋。夜食、カスピ海ヨーグルト。

     
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