鴛鴦呼蝉庵日乗
2001.9.25 作業をしながら話すこと
   昨日からの風邪もだいぶひどくなり、今日は一日頭痛と腹痛をがまんしていました。それでも、散歩して、体を冷やしたりしていますから、不摂生極まりない状態です。幸い、栄養はとれていますので、葛根湯などでしのいでいます。
 散歩しているとふと思うことがあります。面と向かって話しをするのと、横に座って作業しながら話をするのと、その違いです。この夏に富士山に仕事で登り、山頂から5合目まで降りるときに、一緒に昇った人と話しをしながら降りましたが、3時間以上も話をしてもなかなか話が尽きなかったのです。もし、対面で話をすると、きっと1時間もしないうちに、話は尽きてしまうかもしれません。長い時間も同じ作業をしていると、話は続くものです。
 田中さん(9月22日参照)は、お子さんとウォーキングをしながら話すそうです。その時は、向かい合わせでないから、いろいろな話をするそうです。歩くことだけでなく、台所での料理や、車で運転して助手席に座らせている時になども、お互い自由に話すチャンスだそうです。目を見て話すということと、日本映画の小津監督の作品のように、お互いに違う方向見て話すのと、それぞれの緊張感が違いそうです。私もどちらかというと、目を見て話すよりも、別のものを見ながら話す方が気楽に言える場合があります。
 それはなぜかと考えると、同じ空間を生きていて、そして、その空間でいろいろなことをすること、その作業の同一性というもの、あるいは、他のものに興味を充てて、それゆえに本音を出しやすいということ、それらのいろいろな要素があるようです。

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